本研究は、消滅しつつある琉球方言のひとつである八重山方言群波照間方言の音声学的な構造を解明し、それに関連する歴史的・方言地理学的な変異の重要な側面について考察する。波照間方言は波照間島のみならず、石垣島の白保集落でも話されている。以下、2つの方言変種をそれぞれ波照間変種と、白保変種と呼ぶことにする。白保集落は、1713年波照間島から300余人を受け入れて独立したが、1771年の明和の大津波によって1574人の村人が亡くなり破滅的な被害を受け、その後首里王府政策により波照間島から418人受け入れて再建された。波照間変種と白保変種は基礎語彙と文法では大きな相違は見られないが、音韻構造には相違が見られる(狩俣 2008)。 本研究の目的は波照間変種と白保変種の相違を音響音声学的に分析することである。分析対象として、それぞれの母音体系を取り上げる。それら2変種の比較研究が、本研究の重要な研究トピックの一つになる。
Hateruma hōgen ni henshu no onkyō onseigakuteki hikaku
Giuseppe Pappalardo
2008-01-01
Abstract
本研究は、消滅しつつある琉球方言のひとつである八重山方言群波照間方言の音声学的な構造を解明し、それに関連する歴史的・方言地理学的な変異の重要な側面について考察する。波照間方言は波照間島のみならず、石垣島の白保集落でも話されている。以下、2つの方言変種をそれぞれ波照間変種と、白保変種と呼ぶことにする。白保集落は、1713年波照間島から300余人を受け入れて独立したが、1771年の明和の大津波によって1574人の村人が亡くなり破滅的な被害を受け、その後首里王府政策により波照間島から418人受け入れて再建された。波照間変種と白保変種は基礎語彙と文法では大きな相違は見られないが、音韻構造には相違が見られる(狩俣 2008)。 本研究の目的は波照間変種と白保変種の相違を音響音声学的に分析することである。分析対象として、それぞれの母音体系を取り上げる。それら2変種の比較研究が、本研究の重要な研究トピックの一つになる。File in questo prodotto:
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